目標利益の分岐点売上高を探る

マーケティング損益分岐点

前回、次は損益分岐点の活用のポイントを書くと言いましたが、ちょっとその前に目標利益の事を書いていこうと思います。

前回は損益トントンになる売上を計算しました。
しかし、利益がないとビジネスになりませんね。

そこで、今回は利益目標を決めた場合、いくら売り上げれば良いか、何個売れば目標利益に達するのか計算する方法を取り上げます。

1.目標利益の計算方法

前回の損益分岐点の方程式はスラスラ出てくるでしょうか?
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率 でしたね。

目標利益の計算方法は、上記の式にちょっと加えるだけで完成しちゃいます!

目標利益分岐点売上高 = ( 固定費 + 目標利益 ) ÷ 限界利益率

そうです、固定費に目標利益を足しただけです。
たったこれだけで計算できちゃうんです。

2.シュークリームを何個売れば月100万円利益がでるの?

では、早速前回のシュークリームのワゴン販売の事例で計算してみましょう。

【計画】
販売価格:1個100円
食材費:1個あたり20円(変動費)
ワゴンのリース料:月10万円(固定費)

目標利益:月100万円

1.目標利益を計算する

それでは、計算式に入れてみましょう!

① 目標利益分岐点売上高 = ( 固定費 + 目標利益 ) ÷ 限界利益率

② 目標利益分岐点売上高 = ( 10万円 + 100万円 ) ÷ 0.8

③ 目標利益分岐点売上高 = 1,375,000円 となります!

2.何個売ればいいか計算する

① 販売個数 = 1,375,000円 ÷ 1個の価格100円

② 販売個数 = 13,750個/月 ですね。

↓ 毎日に換算すると・・・

③ 販売個数 = 13,750円 ÷ 30日

④ 販売個数 = 約458個/日 なんですね!

損益分岐点は42個/日でしたから、月100万円の利益を出すためには10倍以上売らなければならないんですね~

3.さらに分解すると

今日は、もう一歩進んでみましょう。
毎日458個売るのは分かりましたが、何人に売ったらいいんでしょうね?

ここで仮説を立てます。
1人5個買うとすると・・・

458個/日 ÷ 5個/人 = 約92人/日

に売る必要があることがわかりますね!

もう一歩!8時間営業だとすると・・・

92人/日 ÷ 8時間/日 = 約12人/時

1時間あたり12人程度の人に販売する必要があるんですね。

おいしいシュークリームなら、このくらいすぐ売れちゃいそうって思いますよね。計画立てるときのポイントとなるのが、このような計算の『分解』です。分解し、自分が考えられるところまで持ってきて初めて計画が妥当か判断できます。

損益分岐点売上高と目標利益分岐点売上高まで計算できるようになりましたね。
次回、この2つの活用のポイントを書いていきます!

第1回 : 意外と知らない人が多い損益分岐点売上高を読み解いていく
第2回 : この記事
第3回 : 損益分岐点の3つの活用方法