YONEX EZONE 100 インプレ・レビュー:スピードボールを誰でも打ちやすい
EZONE 100とVCORE 100 2021の試打をしたので、今回はEZONE 100をインプレ・レビューします。現在はHEAD SPEED MPを1年ほど使用してきましたが、もう少し味付けしていきたいと思い、この2本を試打しています。
VCORE 100 2021のインプレ・レビューを前回書いたので合わせてご覧ください。
ヨネックス VCORE 100 2021を試打インプレレビュー!VCOREの高弾道スピンが武器に【テニス】
結論
軽く強くスピードボールが打てるEZONE 100
- 鋭いスピードボールを誰でも打ちやすい
- ややオーバー気味な飛び感
- SPEED MPよりスピンがかけやすくスピードとスピンのバランスがいい
スペックは黄金スペックど真ん中
黄金スペックのため、EZONE 100のスペックはSPEED MPとVCORE100と似たようなものです。しかし特徴はVCOREとはだいぶ違うので、インプレで違いも話したいと思います。
スペック | YONEX EZONE 100 | YONEX VCORE 100 2021 | HEAD SPEED MP |
フェイス面積 | 100inch | 100inch | 100inch |
平均重量 | 300g | 300g | 300g |
バランスポイント | 320mm | 320mm | 320mm |
長さ | 27inch | 27inch | 27inch |
厚さ | 23.5-26-22mm | 24-25-22mm | 23mm |
ストリングパターン | 縦16本×横19本 | 縦16本×横19本 | 縦16本×横19本 |
素材・テクノロジー | HM GRAPHITE M40X VDM | HM GRAPHITE 2G Namd Flex Force VDM | Graphene 360+ |
グリップサイズ | G1・G2・G3 | G1・G2・G3 | G2・G3・G4 |
2020 EZONE 100の性能レビュー
打球感
適度な食いつき感とやわらかさがあるので使いやすいです。それでもスイートエリアから外れた場所で打つと硬さを感じます。正直なところ、HEAD SPEED MPのほうがやわらかさを感じるが、そこまで大きな変化はない印象。
スイートエリアが広めになってるので、さほどスイートエリアを外すことがないため、終始やわらかさは感じていました。
掴む感覚と反発性により、クリアな打球感に仕上がっていますね。
反発性
EZONE 100はパワーアシストが強くかなり飛びますね。VCORE 100も飛びがそれなりに強いですが、それ以上と思います。SPEED MPが3本のラケットの中では意外と飛びが抑えめな印象でした。
反発性があるので飛びますが、その分スピードのある鋭いボールを打ちやすかったです。スイングスピードを上げずに軽く打つだけでも、スピードボールで返球できるので、速い球を打ちたい人や早い試合展開をしたい人には向いていそうです。パワーもあるようで、試打したときの相手にはVCORE 100よりも返しづらいときがあったと聞きました。
コントロール性
反発性が強いので、コントロールの面ではオーバー気味になりやすかったり、たまにすっぽ抜けてしまうことがあり、コントロール性はSPEED MPやVCORE 100に比べると劣ります。EZONE 100は、多少暴れやすい面があるので、ストリングでや打ち方でコントロールを調整すると良さそうです。
コントロール重視の人は、EZONE 98かEZONE 98Lを選ぶ方が無難。
スピン
EZONE 100はHEAD SPEED MPと比べ、自然に打ってもスピンのかかりがいいことを実感でき、ほどよいスピン性能です。VCOREのようなグリグリ感はありませんが、スピンのコントロールはしやすいほうです。フラットショットにもう少しスピンを掛けていきたい人には良さそうです。
スピード・パワーがあるEZONEにスピンも加わり、しっかりコントロールして打っていればバランスの良さが際立ちます。ハイスピードなボールが少し持ち上がって相手コートに突き刺さる感覚でした。スピン調整でコントロールすれば暴れやすさは抑えられると思います。
2020 EZONE 100のショットタイプ別レビュー
ストローク
フォアハンドストローク
フォアハンドはスピンかけても、つぶして厚く打ってもいいボールになります。とくにつぶす打ち方のほうが向いています。EZONE 100は反発性の強さ・適度なスピンのかかりがあるので、自分から振り抜いて打っていく方がいいショットになりやすい。振り抜いて打たないとオーバーになりやすい・暴れやすいので、しっかり振ることを求められるラケットだと思います。
VCORE 100は高弾道・高い跳ねで立体的な展開が得意ですが、EZONE100はフラットショットでスピードのある鋭さを活かした早い展開が適していますね。フラットドライブが合いそう。
バックハンドストローク
コンパクトなスイングで軽く打つと、フラットのスピードがあるボールが返せます。スピンがかけやすいので低弾道なフラットショットでも少し持ち上げてミスを抑えられる点が◎
反発性があるため、少し差し込まれてもコンパクトに面をつくって当てるだけでも、それなりに深めに返せます。フォアハンドもバックハンドも反発性の強さでディフェンスでき、ラリーを続けやすいでしょう。
スライス
少し浮き気味なスライスショットになり、ほんの少しオーバーに飛びます。個人的には面の作り方・打ち方を調整しないと、スライスはちょっと使いづらい印象でした。
ボレー
ボレーもスピードが出やすく、深めに決定打を打ちやすい。打ち負けがなく、弾きが強めなので、ボレーはだれでもラクしていいボールを返球できます。かと言って、ボレーがオーバーすることはなく安定感もあるので、ダブルス用のラケットに向いていますね。
反発性の強さが活きていて、ボレーは当てるだけで深めにいい球が飛びます。押してボレーするときは角度を気をつけた方がいいかもしれない。
サービス
フラットサーブ
フラットサーブは自動的にスピードが一段上がります。力を抜いて軽くサーブするだけでいい感じのスピードになるお手軽さ。強い反発性と弾き感がサーブにも活きている印象です。
飛びがいいので、フラットサーブでも少し回転を掛けたほうが収まりはいいですね。
スピンサーブ
適度なスピンがかかるので、SPEED MPよりスピンサーブが打ちやすい。スピンサーブはバウンド後の跳ねが高く、スピン量を増やせばグイっと落ちます。VCORE 100ほどのスピンではありませんが、EZONE 100もスピンサーブはいいですね。
スライスサーブ
スライスサーブは、スピードがそれなりにある素直なスライスのイメージ。曲がりは弱めなので、フラット寄りのスライスでスピード・ノビを活かしてサーブするといいですね。
ただ、EZONE 100はフラットサーブとスピンサーブの組み合わせが最も得意そうです。
向いているプレイスタイル
EZONE 100を使うなら、スピードボールを活かすと良さそう。スピンもかけやすいからスピード&スピンの組み合わせで攻める
- スピードのあるショットで早い試合展開で攻めたいストローカー
- サーブも速さで主導権を握る
- スピードのあるショットとスピンショットで緩急をつける
- 積極的にポーチボレーにでていくダブラー
EZONE 100の総評
『振るほど、スピードと威力が乗っていく』
軽く打つだけでもハイスピードな鋭さがEZONE 100。振れば振るほどスピンもかかって鋭さに威力が乗っていくので、攻撃的なストローカーに向いていますね。上級者が潰して打つのにも向いていそうです。
高速フラットサーブで崩して、高速フラットドライブでさらに追い詰めていくハイスピード展開。そんなことができそうなラケットに仕上がっています。